臨床メモ
トキソプラズマ症と猫
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.636
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204859
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胎児のトキソプラズマ症により網脈絡膜炎,小頭症,水頭症,精薄など,どちらかといえば重大な先天異常の起こることが知られ,また疫学的調査からは流早死産の頻度が高くなるという報告もある。最近では血清検査が比較的簡単にできるようになつたこともあつて,妊婦から家畜やペットの処置,血清検査を行なうべきか否かについて頻繁に質問が出されるようになつた。
元来トキソプラズマ症は不顕性感染の多いこと,胎児感染とそれによる異常発生の頻度が低いことなどから梅毒感染の場合などと同一レベルで考える必要のないことが知られているが,上記のような妊婦の質問に答えるにはどのようにしたら良いか,ここでは米国健康,教育,福祉局寄生虫疾患課から出されたKro—gstadら(Ann.Int.Med.77,773,1972)の論文の一部を紹介する。
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