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Volume 31, Issue 6 （May 2015）

化学療法の領域 31巻6号（2015年5月発行）

Japanese English

特集国境を越える重症新興・再興感染症

１．新興・再興感染症と人獣共通感染症－発生状況とその背景－ Current situation of emerging and re-emerging infectious diseases and zoonoses 有川二郎 ¹ Arikawa Jiro ¹ ¹北海道大学大学院医学研究科・微生物学講座・病原微生物学分野教授キーワード：新興・再興感染症 , 人獣共通感染症 , 感染症法 Keyword: 新興・再興感染症 , 人獣共通感染症 , 感染症法 pp.24-29

発行日 2015年5月25日 Published Date 2015/5/25

DOI https://doi.org/10.20837/2201506024

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　新興・再興感染症（emerging and re-emerging infectious diseases）の原因の多くを人獣共通感染症が占める。ウイルス性人獣共通感染症はいずれも動物や節足動物を介して伝播されるが，細菌，原虫，真菌，寄生虫を原因とする人獣共通感染症は，感染動物由来の病原体で汚染された，水，食品，環境を原因とするものが多く，対応を考える際，それぞれ意識して考慮すべきである。一方，ヒトからヒトに伝播する感染症では麻疹や薬剤耐性菌による流行が最近大きな問題になっている。いずれも原因にはさまざまな社会的要因がかかわり，対策を複雑なものにしている。