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連載 薬剤品質管理ブックレット(2)
トリアゾール系抗真菌薬イトラコナゾール内用液剤(イトリゾール®内用液1%)の製剤的特徴
Formulation properties and clinical performance of triazole antifungal agent “Itraconazole”
萩原伸也
1
,
室高広
2
Hagiwara Shinya
1
,
Muro Takahiro
2
1ヤンセンファーマ株式会社メディカルアフェアーズ本部メディカル戦略部
2長崎大学病院薬剤部薬品情報室 室長
pp.120-127
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201505120
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イトラコナゾール(ITCZ)はトリアゾール系抗真菌薬であり,広域で強力な抗真菌活性と,優れた組織移行性を有する。わが国では1993年にイトリゾール®カプセル50が発売され,皮膚真菌症および深在性真菌症の治療に幅広く使用されてきた。その後,カプセル剤が内服困難な患者でも服用可能であり,安定して吸収され,十分な血漿中薬物濃度が得られる剤形が求められるようになった。そこで,溶解補助剤であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)を用いて消化管からの吸収を改善/安定化させたイトリゾール®内用液1%が開発され,2006年に発売された。本剤は2011年に新たな効能・効果,用法・用量が追加され,真菌感染症に対して幅広く使用されている。