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連載 私達の研究(146)
侵襲性カンジダ感染症の発症,炎症反応および薬剤耐性に関する基盤的研究
Fundamental research on the mechanisms of the incidence and inflammatory response of invasive candidiasis and antifungal drug resistance
金城雄樹
1
,
田辺公一
2
,
上野圭吾
2
,
北野尚樹
2
,
名木稔
2
,
浦井誠
2
,
星野泰隆
2
,
梅山隆
2
,
山越智
2
,
宮﨑義継
3
Kinjo Yuki
1
,
Tanabe Koichi
2
,
Ueno Keigo
2
,
Kitano Naoki
2
,
Nagi Minoru
2
,
Urai Makoto
2
,
Hoshino Yasutaka
2
,
Umeyama Takashi
2
,
Yamagoe Satoshi
2
,
Miyazaki Yoshitsugu
3
1国立感染症研究所真菌部 第三室室長
2国立感染症研究所真菌部
3国立感染症研究所真菌部 部長
キーワード:
深在性真菌症,カンジダ,細菌,マンナン,薬剤耐性
Keyword:
深在性真菌症,カンジダ,細菌,マンナン,薬剤耐性
pp.113-119
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201505113
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カンジダ属は皮膚や消化管における常在性真菌で,深在性真菌症を起こす頻度がもっとも高い原因真菌のひとつである。カンジダ属は院内における菌血症の主要な原因微生物であり,ひとたび侵襲性感染症を起こすと致死率が高い。しかし,侵襲性カンジダ感染症の発症や炎症反応に関する詳細な機序については明らかになっていない。私たちは最近,基盤的研究にて侵襲性カンジダ症の発症や増悪における細菌感染の影響を明らかにした。また,カンジダの細胞壁多糖構造と炎症反応の関係性に関する研究結果を得た。さらに,侵襲性カンジダ症に対する第一選択薬のひとつであるキャンディン系抗真菌薬に対する薬剤耐性機構に関する新しい知見を見出した。本稿では,カンジダ感染症に関する私たちの基盤的研究内容について紹介したい。