Japanese
English
特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
6.トランスポーターの遺伝子多型
Pharmacogenomics in drug transporters
家入一郎
1
Ieiri Ichiro
1
1九州大学大学院薬学研究院薬物動態学分野 教授
キーワード:
OATP1B1
,
SLCO1B1
,
BCRP
,
ABCG2
,
SLCO1B3
,
ABCB1
Keyword:
OATP1B1
,
SLCO1B1
,
BCRP
,
ABCG2
,
SLCO1B3
,
ABCB1
pp.83-90
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503083
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
生体に発現する薬物トランスポーターをコードする遺伝子のほとんどすべてに変異が存在する。抗がん剤耐性でよく知られるP-糖タンパク遺伝子(ABCB1)にも50種類を超える変異が存在し,その機能評価が精力的に加えられたが,結果は論文間で異なり,コンセンサスが得られていない。ほとんどの化学療法剤が数種類の薬物トランスポーターの基質であることがその原因と言える。この現象は,ABCB1に限らず,多くのトランスポーター遺伝子に当てはまる。その中で,SLCO1B1とABCG2遺伝子変異の機能についてはコンセンサスが得られている。遺伝子変異として,目に見える変異のみならず,メチル化などのエピジェネティクスやmiRNAなどのRNA干渉も,トランスポーター遺伝子やタンパクの発現の個人差として寄与していると考えられる。