Japanese
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特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
5.トランスポーターを介した化学療法剤の相互作用
Transporter-mediated drug-drug interactions with chemotherapeutic drugs
設楽悦久
1
Shitara Yoshihisa
1
1Meiji Seikaファルマ株式会社
キーワード:
OATP1B1/P-gp
,
新ガイドライン
,
阻害
,
誘導
,
律速段階
Keyword:
OATP1B1/P-gp
,
新ガイドライン
,
阻害
,
誘導
,
律速段階
pp.68-81
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503068
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トランスポーターを介した膜透過過程が体内からの消失速度の律速段階になることもあり,トランスポーターレベルでの薬物間相互作用が数多く報告されている。消化管や腎臓における管腔側への輸送に関与するP-糖タンパク質を介した相互作用は,抗がん剤をはじめとする多くの化学療法剤(抗菌薬,抗真菌薬,抗ウイルス薬などを含む)で報告されていた。近年では,これらの医薬品の中にOATP(organic anion transporting polypeptide)1B1またはOATP1B3を介した薬物の肝取り込み過程を阻害するものが含まれており,実際に臨床での相互作用を引き起こすことが報告されている。厚生労働省から,医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドラインが発出される予定となっている。その名が示すとおり,この新ガイドラインは,医薬品開発過程だけでなく,薬を安全に使用する上での適正な情報提供につながるものと思われる。