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特集 薬剤トランスポーター研究の最新動向と化学療法剤の動態
1.総論:トランスポーター
General remarks:Transporter
杉山雄一
1
Sugiyama Yuichi
1
1独立行政法人理化学研究所イノベーション推進センター杉山特別研究室 特別招聘研究員
キーワード:
ABC トランスポーター
,
SLC トランスポーター
,
PET イメージングダブル発現系(Double transfectant)
Keyword:
ABC トランスポーター
,
SLC トランスポーター
,
PET イメージングダブル発現系(Double transfectant)
pp.26-39
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201503026
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薬物の標的組織へのデリバリーは,その組織細胞膜における輸送特性に着目することが重要である。生体内では多様な輸送担体(トランスポーター:TP)がさまざまな組織に発現し,生体に必要な物質を積極的に取り込み,異物を積極的に排泄する機能を担っている。TPは生体に投与された薬物も認識し,薬物の消化管吸収・組織への分布・排泄過程に関与し,薬物動態に重要な役割を果たしている。TPの分子認識に基づいた創薬を行うことにより,薬効を維持したまま副作用に関連する組織・細胞への移行を抑える理想的な動態特性をもつ薬の開発も可能になると期待され,医薬品開発の面からもTP研究への関心が高まっている。本稿では,取り込みTP,排出TPの種々の臓器における役割,医薬品開発上における重要性について記述する。