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連載 私達の研究(143)
マトリセルラータンパク質と感染症
Matricellular proteins and infectious disease
芦野有悟
1
,
浩日勒
2
,
齋藤弘樹
3
,
服部俊夫
4
Ashino Yugo
1
,
Chagan-Yasutan Haorile
2
,
Saito Hiroki
3
,
Hattori Toshio
4
1東北大学大学院医学系研究科・内科病態学講座・感染病態学分野/東北大学災害科学国際研究所災害医学研究部門・災害感染症学分野/東北大学病院総合感染症科 准教授
2東北大学災害科学国際研究所災害医学研究部門・災害感染症学分野 助教
3東北大学病院総合感染症科
4東北大学災害科学国際研究所災害医学研究部門・災害感染症学分野 教授
キーワード:
マトリセルラータンパク,感染症,ガレクチン9,オステオポンチン
Keyword:
マトリセルラータンパク,感染症,ガレクチン9,オステオポンチン
pp.109-114
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502109
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近年,免疫系とマトリセルラータンパク質の関係が知られてきた。マトリセルラータンパク質とは細胞-細胞外マトリックスとの情報伝達の重要なソースである。この中に,ガレクチン9(GAL-9),オステオポンチン(OPN)があり,一方は細胞の機能を抑制させ,他方は炎症に関与するという相反する作用を有する。我々は,この2者が感染症で,どのような動きをするかを検討した。HIV感染症,デングウイルス感染症を対象とした研究では,GAL-9は,ウイルス量,重症度を反映し,OPNは,炎症の遷延や出血傾向にかかわっていることが判明した。本研究により,マトリセルラータンパク質と感染症の関係が解明することに期待ができる。