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感染症・抗生物質,他
大石 正夫
1
1新潟大
pp.232-233
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209961
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Wan WL et al : The clinical characteristic and course of adult gonococcal conjunctivitis. Am J Ophthalmol 105 : 575-583, 1986
成人の淋菌性結膜炎の報告は,最近では少数の散発例と,1985年アフリカで16例の流行例がみられている.今回多数の本症につき検討し,STD,PC耐性菌について注意を喚起している.1972年〜1986年間にLos Angelesで21症例,27眼が経験され,うち14例(67%)が1982年〜1986年の5年間にみられた.20〜26歳が14名(67%)で,男17例(81%)であった.男10例に淋菌性尿道炎が,女2例に膣炎を併発していた.男2例で初診時すでに穿孔性角膜潰瘍をおこし,治療で視力改善は得られなかった.細菌検査で26眼(96%)に淋菌が検出された.PC耐性菌はみられなかった.全例入院加療され,PCG400〜2000万U/日を4〜7日間静注,サルファ剤,CP,bacitracin点眼により,2例をのぞいて症状の改善をみた.本症はSTDとともに今後増加が予想されること,およびPC耐性菌の出現に注意しなければならない.PC耐性菌にはcefoxitin,cefotaxime,ceftriaxoneの第2,第3世代のセフェム剤が選択投与されるものである.
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