連載 エイズに見られる感染症と悪性腫瘍(16)
非ホジキンリンパ腫
佐々木秀悟
1
Sasaki Shugo
1
1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科
pp.4-11
発行日 2015年1月25日
Published Date 2015/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201502004
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悪性リンパ腫の一種である非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma:NHL)は,わが国のAIDS指標23疾患のうちのひとつである。HIV感染者では非感染者と比較して悪性リンパ腫の発症率が高い。抗HIV療法の進歩により日和見感染症による死亡が減少したことで,相対的に悪性リンパ腫の罹患リスクが上昇しており,今後も注意が必要な疾患である。全身性非ホジキンリンパ腫(systemic NHL),原発性滲出性リンパ腫(primary effusion lymphoma:PEL),原発性脳リンパ腫といった疾患が,HIV感染者には合併しやすい悪性リンパ腫として知られている。診断は原則として病理組織学的検査によって行うが,診断時にはすでに病期が進行していることが多い。治療は抗がん化学療法と抗HIV療法を併用する。