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特集 インフルエンザの最新知見 ~鳥,パンデミックと季節性インフルエンザ対策をどうするか~
5.インフルエンザ脳症の発症メカニズムと治療法の新展開
Development of a novel treatment and onset mechanism for influenza encephalopathy.
森島恒雄
1
,
八代将登
2
Morishima Tsuneo
1
,
Yashiro Masato
2
1岡山大学 特命教授/岡山労災病院 院長
2岡山大学病院小児科 助教
キーワード:
インフルエンザ脳症
,
サイトカインストーム
,
抗炎症治療
,
けいれん重積型
Keyword:
インフルエンザ脳症
,
サイトカインストーム
,
抗炎症治療
,
けいれん重積型
pp.58-66
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201412058
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インフルエンザ脳症はインフルエンザウイルス感染症を契機に発症する急性脳症である。急激な全身性炎症反応ではじまり,脳浮腫・多臓器不全に至る経過から,炎症性サイトカインの過剰産生(サイトカインストーム)がおもな病態と考えられた。メチルプレドニゾロンパルス療法や大量γグロブリン療法などの抗炎症療法を中心としたガイドライン(2005年作成,2009年改訂)が普及してからは,致死率が30%から10%以下にまで改善した。一方で,後遺症が25%と依然多く,抗炎症療法の効果が低い“けいれん重積型脳症”などの多様な病態が明らかになってきた。本稿では,インフルエンザ脳症について,これまでに解明されてきた点と今後の問題点についてガイドラインを中心に紹介する。