８．進行性多巣性白質脳症と亜急性硬化性全脳炎

Progressive multifocal leukoencephalopathy and subacute sclerosing panencephalitis

　進行性多巣性白質脳症（progressive multifocal leukoencephalopathy：PML）および亜急性硬化性全脳炎（subacute sclerosing panencephalitis：SSPE）について概説した。両者とも遅発性ウイルス感染症（slow virus infection）に属し，根治的治療がなく，生命予後・機能予後が不良な疾患である。PMLでは生物学的製剤によるPMLの発生やメフロキンによる治療の可能性など，近年の話題をわが国の「PML診療ガイドライン2013」に沿って紹介した。SSPEでは疾患概念等に加え，研究的治療であるリバビリン脳室内投与療法などを紹介した。また，PMLに関してはJCウイルスDNA遺伝子検査の問い合わせ先を，SSPEではリバビリン投与に関してSSPE治療研究グループの連絡先も紹介した。