Japanese
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特集 わが国でも問題のベクター媒介性感染症
10.シラミ媒介性感染症,特に塹壕熱の現状と今後の課題
Louse-borne infectious diseases -The present state of trench fever and next problems-
佐々木年則
1
,
関なおみ
2
Sasaki Toshinori
1
,
Seki Naomi
2
1国立感染症研究所昆虫医科学部 主任研究官
2東京検疫所 検疫医療専門職/国立感染症研究所昆虫医科学部 協力研究員
キーワード:
Body lice
,
Head lice
,
Trench fever
,
Infectious diseases
Keyword:
Body lice
,
Head lice
,
Trench fever
,
Infectious diseases
pp.106-113
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201402106
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近年,先進国の都市部において路上生活者における再興感染症としての塹壕熱が問題となっている。塹壕熱病原体はグラム陰性桿菌のBartonella quintana(B. quintana)である。コロモジラミによってヒトからヒトへ感染することが知られている。第一次世界大戦や第二次世界大戦,さらにナポレオンの時代にもあったとされるシラミ媒介性細菌B. quintanaによる感染がふたたび世界的に注目されるようになってきている。今回,わが国におけるB. quintanaの感染状況,アタマジラミによるB. quintana感染の可能性,コロモジラミにおけるB. quintana感染動態,さらに今後の課題について触れてみたい。