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特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
10.蚊媒介性ウイルス感染症に対するワクチン開発の現状
Current status of vaccine development for mosquito-borne viral infectious diseases
山中敦史
1
Yamanaka Atsushi
1
1大阪大学微生物病研究所 助教
キーワード:
ワクチン
,
蚊媒介性ウイルス感染症
,
フラビウイルス
,
トガウイルス
,
ブニヤウイルス
Keyword:
ワクチン
,
蚊媒介性ウイルス感染症
,
フラビウイルス
,
トガウイルス
,
ブニヤウイルス
pp.123-130
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708123
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節足動物媒介性ウイルスは蚊やダニのような吸血性節足動物によって媒介されるウイルスである。なかでも蚊媒介性ウイルスの種類がもっとも多く,これらが引き起こすデング熱やジカ熱は世界規模で問題となっている。現在のところ,ヒト用ワクチンが利用可能な蚊媒介性ウイルス感染症は,黄熱,日本脳炎,デング熱である。黄熱ワクチンと日本脳炎ワクチンは効果が高く,長期にわたり汎用されている。一方,最近,流行国のワクチン市場に現れたデングワクチンはその効力が予想よりも低く,かえって病気が悪化する等の懸念も生じている。その他の一部の蚊媒介性ウイルス感染症に対するワクチン候補は現在のところ臨床試験段階にあり,早期の市場化が望まれる。