連載 エイズに見られる感染症と悪性腫瘍(4)
ニューモシスチス肺炎
福島一彰
1
,
味澤篤
2
Fukushima Kazuaki
1
,
Ajisawa Atsushi
2
1がん・感染症センター都立駒込病院感染症科
2がん・感染症センター都立駒込病院感染症科 部長
pp.4-11
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201402004
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ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumonia:PCP)は細胞性免疫が低下した状態の患者に生じる日和見疾患のひとつであり,代表的なAIDS指標疾患である。HIV症例におけるPCPは亜急性に進行する呼吸困難症状が特徴で,胸部単純レントゲン写真や胸部CT検査で,びまん性のすりガラス状陰影を認めることが多い。診断においてはPCPの発症と同時にHIV感染症(以下,HIVと略す)が診断される「いきなりAIDS」症例も多い。したがって,PCPに特徴的な臨床所見を理解しておくことに加え,HIVを疑うポイントも理解しておくことが重要である。治療に関してはST(スルファメトキサゾール-トリメトプリム)合剤やペンタミジンなどの副作用の出現率が高い治療薬を用いるため,各治療薬の副作用を理解した上でマネージメントを行う必要がある。