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特集 わが国でも問題のベクター媒介性感染症
1.ベクター媒介性感染症の世界的な流行状況
Global aspects of vector-borne infectious diseases
小林睦生
1
Kobayashi Mutsuo
1
1国立感染症研究所 名誉所員
キーワード:
エアポートマラリア
,
チクングニアウイルス
,
変異株
,
SFTS
,
分布域拡大
Keyword:
エアポートマラリア
,
チクングニアウイルス
,
変異株
,
SFTS
,
分布域拡大
pp.26-30
発行日 2014年1月25日
Published Date 2014/1/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201402026
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デング熱はほぼ毎年のように世界的な流行が起こっており,2004年以降,チクングニアが,インド洋島嶼国,インド,東南アジアで流行している。ウエストナイル熱は米国のみならず,最近,ヨーロッパ諸国で流行が起こっている。2007年以降,中国,米国,日本,韓国で新しいマダニ媒介性のウイルス感染症の存在が明らかとなった。また,1990年代に先進諸国の都市部でコロモジラミが媒介する塹壕熱が路上生活者で流行していることが明らかとなった。短時間で世界中を移動する患者や,航空機等で運ばれる病原体をもった媒介昆虫類は感染症の新たな侵入を容易にしている。これらの問題を含めて種々の角度からベクター媒介性感染症の問題を明らかにし,世界的な流行状況を概説する。