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特集 蚊媒介性ウイルス感染症理解の最前線
序 -蚊媒介性ウイルス感染症の流行地域の拡大-
Recent epidemic spread of mosquito-borne viruses
林昌宏
1
Kweng Chang
1
1国立感染症研究所ウイルス第一部第二室 室長
キーワード:
アルボウイルス
,
フラビウイルス
,
スポンドウェニウイルス
,
アルファウイルス
,
ロスリバーウイルス
,
新興・再興ウイルス感染症
Keyword:
アルボウイルス
,
フラビウイルス
,
スポンドウェニウイルス
,
アルファウイルス
,
ロスリバーウイルス
,
新興・再興ウイルス感染症
pp.34-37
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201708034
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わが国ではこれまでに,デング熱,チクングニア熱,ジカ熱,ウエストナイル熱,ロスリバー熱等の蚊媒介性ウイルスによるヒトの輸入症例が報告されている。また,2014年には国内のヒトスジシマカの媒介によるデング熱の国内流行が発生した。媒介蚊であるヒトスジシマカは本州以南に生息し,デングウイルス,チクングニアウイルス,ジカウイルス,ロスリバーウイルス等も媒介する可能性があるため,今後も蚊媒介性ウイルス浸淫の可能性は否定できない。また,わが国は日本脳炎ウイルスの流行地であり,日本脳炎ワクチンの接種等により日本脳炎の流行は制御されているが,現在も日本脳炎ウイルスの分布状況には変化がないことが疫学的に示されている。蚊媒介性ウイルスの発生動向には,ヒト,蚊,気候,環境等の要因が複雑にかかわるため,その予防には疾病の理解が必須である。