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特集 細菌の進化から考える抗菌薬耐性
10.結核菌の薬剤耐性
Drug resistance of Mycobacterium tuberculosis
鈴木定彦
1
,
中島千絵
2
Suzuki Yasuhiko
1
,
Nakajima Chie
2
1北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター・国際疫学部門 教授
2北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター・国際疫学部門 特任助教
キーワード:
結核菌
,
多剤耐性
,
Fitness cost
,
補充変異
Keyword:
結核菌
,
多剤耐性
,
Fitness cost
,
補充変異
pp.113-121
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401113
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結核は抗結核剤の発見とその有効な活用により不治の病とは呼ばれなくなったが,いまだにもっとも治療が難しい感染症のひとつであることに変わりはない。最近では,多剤耐性結核の蔓延と超多剤耐性結核の出現が相まって結核の治療はいっそう難しいものになりつつある。多剤耐性結核のさらなる広がりを抑え,超多剤耐性結核の蔓延を未然に食い止めるためには,現在多用されている培養による薬剤感受性試験法に代わる迅速かつ簡便な新たな検査法が必要である。そのためには結核菌の薬剤耐性獲得機構の解明が重要なものと考えられ,多くの研究がなされてきた。本稿では結核菌の薬剤耐性獲得機構について最新の知見を交えて解説する。