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特集 細菌の進化から考える抗菌薬耐性
11.放線菌の薬剤耐性
Drug resistance in actinomycetes
石川淳
1
Ishikawa Jun
1
1国立感染症研究所真菌部第四室(抗生物質室)室長
キーワード:
放線菌
,
環境細菌
,
自己耐性
Keyword:
放線菌
,
環境細菌
,
自己耐性
pp.122-128
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401122
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放線菌はグラム陽性の環境細菌であり,現在,臨床で使われている抗菌薬の大半を生産する有用微生物として知られている。抗生物質生産菌はみずからが生産する抗生物質によって自殺しないために自己耐性遺伝子をもっており,その耐性機構は臨床の薬剤耐性菌のそれと基本的に同じである。また,放線菌は自己耐性以外にも多くの耐性遺伝子をもっており,その耐性機構は多岐にわたり,いまだ臨床では認められていないものも存在する。一方,ゲノム科学の進展により新たな方法論による抗菌薬の開発も精力的に行われており,放線菌の薬剤耐性機構の解析とあわせて薬剤耐性菌に有効な抗菌薬の開発に期待が寄せられる。