増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:1回膜貫通型◆受容体の遺伝子:TLR
マスト細胞のToll様受容体
布村 聡
1,2
,
岡山 吉道
1
,
照井 正
2
,
羅 智靖
1
Nunomura Satoshi
1,2
,
Okayama Yoshimichi
1
,
Terui Tadashi
2
,
Ra Chisei
1
1日本大学医学部総合医学研究所 免疫アレルギーグループ
2日本大学医学部 皮膚科学系 皮膚科学分野
pp.506-507
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101538
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マスト細胞はアレルギー炎症のエフェクター細胞として機能し,外界に直接する皮膚や粘膜などの上皮組織を中心に,広く全身の組織に定着して分布する骨髄幹細胞由来の免疫細胞である。マスト細胞はほとんど全身の臓器,組織に分布するが,特に外界に接する皮膚や,気道,消化管などの免疫応答の盛んな粘膜組織の血管周囲に多数定着している。この位置取りは,細菌やウイルスなどの病原体や外来の異物に直接曝されることを意味し,感染時にはToll様受容体(TLR)を介して,これらの病原体を排除する自然免疫に携わっている。本稿ではマスト細胞におけるTLRの発現,機能,シグナル伝達について最新の知見を交えながら概説する。
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