Japanese
English
綜説
肺疾患とToll-like receptor
Lung Disease and Toll-like Receptor
権 寧博
1
,
橋本 修
1
Yasuhiro Gon
1
,
Shu Hashimoto
1
1日本大学医学部内科学講座内科1
1First Department of Internal Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.811-818
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100345
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Toll-like receptor(TLR)は,病原体に共通する分子構造を特異的に認識し,細胞を活性化する自然免疫における重要な分子として注目されている.TLRは,食細胞や免疫細胞以外の細胞においても発現が報告されており,肺においては,これまで気道上皮や肺胞マクロファージなどの細胞で発現が報告されている.呼吸器系にはガス交換を実現するために外界と循環系が極めて接近するという解剖学的特徴があり,それゆえ,病原体の体内への侵入を防ぐために精巧な感染防御網が構築されていると考えられる.このような感染防御機構の破綻や,過剰反応は様々な肺疾患の発症に関係している可能性がある.
本稿では,肺における感染防御について自然免疫機構を中心に概説し,TLRと肺疾患との係わりについて解説する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.