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特集 化学療法剤のPK-PD理論 -応用と限界-
5.ニューキノロン
New Quinolone
舘田一博
1
Tateda Kazuhiro
1
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授
キーワード:
ニューキノロン
,
PK-PD
,
MPC
,
MSW
Keyword:
ニューキノロン
,
PK-PD
,
MPC
,
MSW
pp.55-62
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201311055
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1960年代初めに合成されたナリジクス酸が最初のキノロン系抗菌薬である。その後1980年代になってキノロン骨格にフッ素を導入したノルフロキサシン(いわゆるフルオロキノロン)が合成され,ニューキノロン時代が到来した。開発当初,本剤の抗菌力はおもにグラム陰性菌を対象とするものであったが,グラム陽性菌への抗菌スペクトルの拡大,抗菌力の増強,吸収・組織移行性など体内動態の改善が達成され,今日までに10薬剤を超える新薬が上市されている。最近では,モキシフロキサシンやガレノキサシン,シタフロキサシンなど,肺炎球菌に対してさらに抗菌活性を強化した“レスピラトリーキノロン”へと展開している。また,PK-PD(薬物動態学-薬力学)理論に基づきレボフロキサシンの500mg1日1回投与が承認され,トスフロキサシンの小児への適応が認められるなど新しい展開もみられている。