Japanese
English
臨床経験
硬膜管背側に遊離移動した腰椎椎間板ヘルニアに同一レベルでの脱出ヘルニアを合併した1例
A Case Report of Sequestrated Lumbar Disc Herniation Migrated to the Posterior Epidural Space and Combined with Re-extruded Disc at the Same Disc Level
黒木 浩史
1
,
田島 直也
1
,
平川 俊一
1
,
久保 紳一郎
1
,
田辺 龍樹
1
,
本部 浩一
1
Hiroshi Kuroki
1
1宮崎医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Miyazaki Medical College
キーワード:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
背側移動
,
dorsal migration
,
遊離型
,
sequestration
Keyword:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
背側移動
,
dorsal migration
,
遊離型
,
sequestration
pp.1195-1199
発行日 1995年10月25日
Published Date 1995/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908292
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:硬膜管背側に遊離移動した腰椎椎間板ヘルニアと同一レベルでの脱出ヘルニアを合併した症例を経験した.症例は55歳の男性で,腰痛に続き両下肢痛と左下垂足が出現した.近医にてMRIを施行されたところL3/4椎間板レベルの脊髄腫瘍と診断され当科に入院となった.入院時SLRは陰性で知覚純麻もなかったが,左足関節と母趾の背屈力がMMTで1~2と著しく低下し,また両者の底屈力と大腿四頭筋にも4程度の低下を認めた.膀胱直腸障害は認められなかった.手術にて,硬膜管背側に位置する腫瘤とその前方にL3/4に脱出孔を有するヘルニア塊が認められた.組織診断は,ともに脱出椎間板であった.術前,脊髄腫瘍との鑑別に難渋したが,MRIを詳細に再検討したところ2個のヘルニアの存在を確認することができ,術前に腫瘍との鑑別が可能であったと考えられた.術後6カ月経過した時点において,筋力はすべて5に回復し原職に復帰している.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.