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特集 化学療法剤のPK-PD理論 -応用と限界-
3.薬剤感受性結果をPK-PDに活かすためには
Practical use to PK-PD of antimicrobial susceptibility result
中村竜也
1
Nakamura Tatsuya
1
1神戸大学医学部附属病院検査部
キーワード:
薬剤感受性試験
,
微量液体希釈法
,
MIC値
,
ブレイクポイント
,
薬剤耐性
Keyword:
薬剤感受性試験
,
微量液体希釈法
,
MIC値
,
ブレイクポイント
,
薬剤耐性
pp.42-46
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201311042
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近年,感染症治療に対する抗菌薬適正使用においてpharmacokinetics-pharmacodynamics(PK-PD:薬物動態学-薬力学)理論が提唱され,臨床治療に活用されている。抗菌薬適正使用とは,的確に起炎菌を捕まえ,その起炎菌に対する薬剤感受性を正確に測定し,その結果から薬剤耐性機序を解明し,使用不可能な薬剤(感受性結果“R”)を除外し,使用可能な薬剤(感受性結果“S”)の中から,その患者にもっとも有効と考えられる薬剤(臓器移行や副作用なども考慮)を選択することである。その中でも薬剤感受性試験結果はもっとも重要な項目のひとつであり,その結果が予後を左右するといっても過言ではない。また,使用する判定基準(たとえばCLSI〔Clinical and Laboratory Standards Institute〕ブレイクポイントなど)によっても“S”“R”の判定に差が生じる。ゆえに,その結果を判読する“目力”をもつことが抗菌薬適正使用には不可欠なスキルとなる。そこで,薬剤感受性試験をPK-PD理論に活用するための見方・考え方について解説する。