Japanese
English
特集 HIV感染症の長期的治療戦略
8.新薬の開発状況と今後の展望
Development of new antiretroviral agents and its prospect
青木宏美
1
,
青木学
2
,
満屋裕明
3
Aoki Hiromi
1
,
Aoki Manabu
2
,
Mitsuya Hiroaki
3
1熊本大学大学院生命科学研究部血液内科・膠原病内科・感染免疫診療部
2熊本保健科学大学保健科学部医学検査学科 講師/熊本大学大学院生命科学研究部血液内科・膠原病内科・感染免疫診療部
3熊本大学大学院生命科学研究部血液内科・膠原病内科・感染免疫診療部 教授/米国立癌研究所レトロウイルス感染症部 部長/国立国際医療研究センター臨床研究センター センター長
キーワード:
HIV感染症/AIDS
,
新規治療薬
,
多剤併用療法(cART)
Keyword:
HIV感染症/AIDS
,
新規治療薬
,
多剤併用療法(cART)
pp.87-94
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201309087
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
最初のHIV感染症/AIDS治療薬であるジドブジン(ZDV:別名AZT〔アジドチミジン〕)が1987年に臨床に供されて以来,HIV感染症AIDSの治療は長足の進歩を遂げ,現在では5つのクラス,20種類を優に超えるほどとなった。これらの薬剤を種々に組み合わせて用いる多剤併用療法(cART)によりHIV感染者の臨床症状と生命予後は大きく改善され,当初は致死的であったHIV感染症は,いまやコントロール可能な慢性感染症と位置づけられるようになった。HIV感染症の「治癒」に向けた治療実現への道のりは依然として険しいが,抗HIV剤の長期内服にともなう副作用や薬剤耐性ウイルスの発現など,諸問題を改善するための新規薬剤の開発がいまなお重要な命題であることに疑いはない。