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Updates 2014◆糖尿病学の進歩
SGLT2阻害薬の開発状況と今後の展望
Development status and future prospects of SGLT2 inhibitor
森 豊
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 糖尿病・代謝・内分泌内科
pp.224-228
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101691
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SGLT2阻害薬の開発
SGLT2は1994年に同定されたが,田辺製薬株式会社(現 田辺三菱製薬株式会社)では1990年から尿糖排泄促進薬の研究が開始された.尿糖排泄作用をもつ天然物質のフロリジン(SGLT阻害物質)を基に,その誘導体を合成した.フロリジンは経口吸収性が低いため,経口投与可能な化合物をスクリーニングした結果,1999年世界で初めて経口投与可能なSGLT阻害薬T-1095が開発された1).当初,T-1095で臨床開発が進められたが,SGLT2への選択性が低かったため,よりSGLT2選択的な阻害薬であるカナグリフロジンに切り替えて開発が進められた.
現在,国内では表1のとおり,多くの企業がSGLT2阻害薬の開発に参入している.国内ではいずれのSGLT2阻害薬も,単独療法に加え,現行のすべての血糖降下薬との併用も可能な2型糖尿病の適応症として,本年に上市される予定である.日本に先行して,米国ではカナグリフロジン(商品名:Invokana®)が,米国および欧州ではダパグリフロジン(商品名:Forxiga®)がすでに発売されている.
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