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特集 地球規模で広がる耐性菌 -抗菌薬の多角的使用とその功罪-
5.魚類病原菌由来Rプラスミドがコードする薬剤耐性遺伝子
Drug resistant genes of R plasmid detected from fish-pathogenic bacteria
青木宙
1
Aoki Takashi
1
1早稲田大学先端科学・健康医療融合研究機構 客員教授
キーワード:
魚類病原菌
,
Rプラスミド
,
薬剤耐性遺伝子
,
伝播
Keyword:
魚類病原菌
,
Rプラスミド
,
薬剤耐性遺伝子
,
伝播
pp.56-63
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201306056
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魚類病原菌(Aeromonas hydrophila,A. salmonicida,Edwardsiella ictaluri,E. tarda,Photobaterium damselae subsp. piscicida,Yersinia ruckeri)由来Incompatibilty(Inc)group(不和合性)A/C型とIncU型に属する伝達性Rプラスミドおよびレンサ球菌(Lactococcus garvieae,Streptococcus parauberis)由来の伝達性Rプラスミドの遺伝子構造について紹介する。次いで,キノロン薬の使用とともに魚類病原菌においてもキノロン耐性株が増加してきており,魚類病原細菌におけるキノロン耐性機作について述べる。また,Rプラスミドや薬剤耐性遺伝子の構造が明らかになるにつれて,これらの遺伝子が,ヒトの病原細菌,家畜病原細菌および魚類病原細菌間を伝播,拡散していることを紹介する。今後,地球に棲息する細菌間の薬剤耐性遺伝子の伝播および拡散についての解明が必要であろう。