Japanese
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特集 間質性肺炎と周辺疾患 -感染症から薬剤性まで-
10.トピックス-サルコイドーシスの候補病原体としてのPropionibacterium acnes-
Propionibacterium acnes as a causative agent of sarcoidosis
江石義信
1
Eishi Yoshinobu
1
1東京医科歯科大学人体病理学 教授
キーワード:
肉芽腫
,
内因性感染症
,
潜伏感染
,
細胞内感染
,
IV 型アレルギー
Keyword:
肉芽腫
,
内因性感染症
,
潜伏感染
,
細胞内感染
,
IV 型アレルギー
pp.97-106
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201304097
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1980年代にかけて旧・厚生省難病研究斑により徹底した微生物学的検索が行われた結果,病変部リンパ節からアクネ菌だけが高率に分離培養されたが,細菌培養のみでアクネ菌をサルコイドーシスの原因細菌と確定するには至らなかった。その後,本症病変部リンパ節から高率に多量のアクネ菌DNAが検出されること,本症患者にアクネ菌に対するアレルギー素因が存在すること,本菌の感作免疫のみで肺肉芽腫症が実験的に誘導できること,病変部肉芽腫内にアクネ菌が検出されること等も判明し,現在,わが国ではアクネ菌がもっとも有力な原因細菌候補と考えられるようになった。原因細菌が特定されたことでサルコイドーシスの診断・治療法にも今後大きな展開が期待される。