Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
胃サルコイドーシス(全身性サルコイドーシスの胃病変)
Gastric Sarcoidosis
水江 龍太郎
1
,
蔵原 晃一
1
,
大城 由美
2
Ryutaro Mizue
1
1松山赤十字病院胃腸センター
2松山赤十字病院病理診断科
キーワード:
胃サルコイドーシス
,
サルコイドーシス
,
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
,
肉芽腫性胃炎
,
肉芽腫
Keyword:
胃サルコイドーシス
,
サルコイドーシス
,
非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
,
肉芽腫性胃炎
,
肉芽腫
pp.70-73
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010070
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疾患の概要
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫疾患であり,疾患感受性のある宿主が環境中の何らかの因子に曝露されて発症すると推定されている1).肺門縦隔リンパ節,肺,眼,皮膚などに好発し,消化管病変は1.6%と比較的まれであるが2),その大部分は胃である3).
胃サルコイドーシスには全身性サルコイドーシスの部分症として胃病変が生じるものと,胃に限局して出現する胃限局性サルコイドーシスがあるが4),後者は特発性肉芽腫性胃炎との鑑別に議論があり,定義は明確ではない.近年,アクネ菌(Propionibacterium acnes ; PAB)病因論を踏まえ,PAB抗体陽性を胃限局性サルコイドーシスの診断根拠の一つとする報告もみられ,PABの検出が本症の補助診断となる可能性が指摘されている4).胃限局性サルコイドーシスと診断された後にサルコイドーシスの肺病変が出現した報告があり5),経過を追うことで診断が確定することもある.
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