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特集 災害における感染症とその予防対策
4.東日本大震災後にインフルエンザのアウトブレイクをどのように抑えたか
Post-tsunami outbreaks of influenza in evacuation centers in Miyagi prefecture, Japan
八田益充
1
,
賀来満夫
2
Hatta Masumitsu
1
,
Kaku Mitsuo
2
1東北大学大学院医学系研究科感染制御・検査診断学分野 助教
2東北大学大学院医学系研究科感染制御・検査診断学分野 教授
キーワード:
インフルエンザ
,
避難所
,
集団発生
,
迅速診断
,
複合的な感染対策
Keyword:
インフルエンザ
,
避難所
,
集団発生
,
迅速診断
,
複合的な感染対策
pp.43-50
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201303043
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2011年の東日本大震災による大津波の被害は甚大であり,多くの人命および財産が失われ,家屋を失った数多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされた。大規模災害が発生した後には感染症流行のリスクが高まることが知られているが,そのような状況の中で宮城県内の2つの避難所においてインフルエンザ集団発生事例が発生した。抗原検査により迅速に診断し,それに基づいて複合的な感染対策を早期に行ったことで2つの集団発生事例は無事収束した。その一方で,ボランティアを含めた施設外からの訪問者に対する健康管理の構築の必要性や,消毒薬などの衛生物品供給の偏りなど,避難所における感染対策の今後の課題も認められた。