Japanese
English
特集 災害における感染症とその予防対策
3.東日本大震災と感染症-被災地内の救急・集中治療の立場からの報告-
Infectious disease in the great east Japan earthquake -From the standpoint of emergency and intensive care in the severely damaged area-
小林道生
1
,
浅沼敬一郎
2
,
遠山昌平
2
,
佐藤哲哉
2
,
小林正和
2
,
石橋悟
3
,
久志本成樹
4
Kobayashi Michio
1
,
Asanuma Kei-ichiro
2
,
Toyama Syohei
2
,
Satoh Tetsuya
2
,
Kobayashi Masakazu
2
,
Ishibashi Satoru
3
,
Kushimoto Shigeki
4
1石巻赤十字病院救命救急センター 副センター長
2石巻赤十字病院救命救急センター
3石巻赤十字病院救命救急センター センター長
4東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座救急医学分野 教授
キーワード:
東日本大震災
,
救急患者
,
疾病構造
,
敗血症
,
破傷風
Keyword:
東日本大震災
,
救急患者
,
疾病構造
,
敗血症
,
破傷風
pp.35-42
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201303035
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東日本大震災において石巻赤十字病院(以下,当院と略す)は医療圏唯一の救命救急センターとして多数の患者を無条件に受け入れた。重症救急患者に占める感染症患者の割合を見ると,発災48時間以内では全118例中6例(5.1%)のみであったが,発災48時間(48時間含まない)~1週間:26/165(15.8%),1週間(1週間含まない)~1カ月:214/582(36.8%)と増加し,呼吸器感染症症例の著しい増加を認めた。震災前後1年間に入院した感染症患者は1.8倍に増加し,当院救命救急センターに入室した重症感染症患者の比較では,震災後に重症度スコアが上昇し,救命救急センター滞在日数が延長していた。特殊感染症として破傷風3例の発生があった。診療機能が低下した状態での多数の患者への対応のため,経験的治療とともに,医療資源を要する患者は初期治療後に可能な限り域外の病院への転院を行った。災害急性期から慢性期における救急感染症患者について,救急・集中治療の立場から述べる。