Japanese
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特集 災害における感染症とその予防対策
7.東日本大震災で痛感された感染症予防対策-ワクチン接種普及の必要性を中心に-
Infectious disease prevention, especially the need of vaccination was felt keenly in the east Japan earthquake, 2011
渡辺彰
1
Watanabe Akira
1
1東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門 教授
キーワード:
大震災
,
インフルエンザ
,
肺炎
,
肺炎球菌
,
ワクチン
Keyword:
大震災
,
インフルエンザ
,
肺炎
,
肺炎球菌
,
ワクチン
pp.66-73
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201303066
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東日本大震災後の被災地域で懸念されていたインフルエンザは普段からのワクチン接種を含めた標準予防策により思ったほどには増加せず,一方で肺炎が増加した。ワクチン接種率の低さに象徴される予防策の不徹底がこれを招いたと思われ,それを徹底すべきことが痛感された。被災した岩手・宮城・福島では日本赤十字社と各県医師会とが共同で70歳以上の住民に対する23価肺炎球菌ワクチンの無料接種事業を開始し,推定接種率はそれまでの10%前後から50%前後に急上昇した。今後の検証が重要である。また,宮城県では肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種が5千名近くに実施されたが副作用は認められず,安全性が実証された。