特集 東日本大震災と透析医療
Ⅲ.東北大震災―被災地からの報告(3)CAPD患者と震災
荻原 雅彦
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1雅香会おぎはら泌尿器と目のクリニック
キーワード:
腹膜透析(PD)
,
東日本大震災
,
災害時治療
Keyword:
腹膜透析(PD)
,
東日本大震災
,
災害時治療
pp.315-320
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002798
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東日本大震災において,被災地からみた腹膜透析(PD)の環境は,①建物自体の損壊,医療機能の喪失(ライフラインの確保困難や医療従事者の減少)による透析施設の閉鎖,②在宅治療としてのPD施行困難,③透析器材の不足をきたした.これに対し,患者の安否確認やPD医療に関する情報は速やかに企業主導により提供がなされ,透析施設間における診療連携も円滑に行われた.また,PDは持続的治療として血液透析(HD)ほど時間の切迫性を要さないことから,医療側のハードにかかわらず物流の安定供給が得られさえすれば,かかりつけ病院,後方支援病院のいずれかで可能であった.PDは災害治療においても腎代替療法として有用な治療手段と考えられた.
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