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特集 循環器系薬剤を見直す—薬剤選択と用量を検証する
抗凝固薬,抗血小板薬
Role of Anticoagulant and Antiplatelet Therapy in Cardiovascular Disease
上野 修市
1
,
島田 和幸
1
Shuichi Ueno
1
,
Kazuyuki Shimada
1
1自治医科大学循環器内科
1Department of Cardiology, Jichi Medical School
pp.981-985
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901972
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心筋梗塞の一次予防
米国の健康な男性医師を対象として心筋梗塞の一次予防を検討したPhysicians’Health Studyでは,アスピリン325mgの隔日投与が致死的,非致死的心筋梗塞の発症予防に有効なことが示された1).一方,英国の健康な医師を対象としたBritish Doctors’Trialでは,アスピリン500mgを連日投与したところ心筋梗塞の予防効果は認められなかった2).この相反する成績は,アスピリンの投与量に関係している可能性がある.
この二つの報告を併せて集計したHennekensらの検討では,アスピリンは非致死的心筋梗塞と心血管性事故の発生をそれぞれ32%,13%と有意に減少させることが示された.一方,同様にこれらをメタアナリシスしたAntiplatelet Trialist’Collaborationは,アスピリンにより非致死性心筋梗塞の発症は減少するが,脳卒中が若干増加するため心血管事故に対する一次予防効果はないと結論づけた3).
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