第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗凝固薬・抗血小板薬
和泉大輔
1
,
南野徹
2
1新潟大学医歯学総合病院不整脈センター
2新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学・教授
pp.465-473
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513465
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有効性と安全性の評価を受けて,非弁膜症性心房細動に対する4種類の新規経口抗凝固薬が上市され,抗凝固療法は大きく変化している。新規経口抗凝固薬はいずれも,食事の影響が小さいこと,内服後の効果発現と効果消退が速いこと,頭蓋内出血の発生が少ないことが共通の利点となるが,各薬剤で異なる特徴も多い。そのため,心原性塞栓症のリスクと出血性合併症のリスク,腎機能や服薬アドヒアランスなどにより使い分ける必要がある。抗血小板薬については,プラスグレルが新たに上市され,薬効の個体差減少に期待されている。心房細動と冠動脈疾患を合併する例では,抗血小板薬と抗凝固療法の併用が考慮されるが,出血性合併症リスクへの対策が必要である。