連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈36〉
一般名:デュピルマブ(遺伝子組換え)デュピクセント皮下注300mgシリンジ
佐藤晶子
1
,
西原茂樹
2
,
千堂年昭
3
1岡山大学病院薬剤部
2岡山大学病院薬剤部・薬品情報室・室長
3岡山大学病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.165-167
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901165
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◆ 製剤の特徴 アトピー性皮膚炎および関連するアトピー性/アレルギー性疾患の病態には,2型炎症反応(2型ヘルパーT〔Th2〕反応を含む)およびTh2細胞の活性化が重要な役割を果たすと考えられている。その中で,IL(interleukin)-4およびIL-13シグナル伝達経路は,この2型炎症反応およびTh2細胞の活性化等に寄与することから,デュピクセント皮下注300mgシリンジ(デュピルマブ〔遺伝子組換え〕)は,アトピー性皮膚炎に対して薬効を示すことが期待され,ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用薬で効果不十分なアトピー性皮膚炎患者に対する治療薬として開発が進められてきた。その結果,ステロイド外用剤の効果が不十分な中等症~重症の成人アトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験において,単独療法またはステロイド外用剤との併用療法で有効性と安全性が確認されたため,成人における「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」の適応で,2018年1月に製造販売承認を取得した。