第 II 部 注目の新薬
〔ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤〕「プラリア®皮下注60mgシリンジ」
宮本健史
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室・特任准教授
pp.298-303
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413298
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デノスマブは近年,その数も種類も増え続けている骨粗鬆症の治療薬の中でも,初めての抗体製剤として開発された骨粗鬆症治療薬(抗RANKL〔receptor activator of nu??clear factor kappa B ligand〕抗体)である。単クローン抗体であるので,選択的にRANKLと結合して中和し,RANKLによる破骨細胞の分化や活性化,生存を抑制することで骨吸収抑制から骨量増加,骨折予防効果を発揮する。デノスマブは先に転移性骨腫瘍治療薬として認可され,1回当たり120mgを4週間に1回,皮下注射投与であった。それに対し,骨粗鬆症治療薬としては半年に1回60mgを皮下注射投与と,投与量は半分で,投与間隔も大幅に広げても十分に臨床効果が得られている。本稿では,この薬剤の骨粗鬆症治療薬としての効能や臨床試験の成績,また有害事象に関する注意事項について紹介する。