連載・臨床薬学のための病態生理(14) 各論 各種病態と薬物療法のターゲット
2.骨・関節疾患 骨粗鬆症
山田真介
,
稲葉雅章
2
2大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学教授
pp.839-849
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903839
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・骨粗鬆症は『骨強度(70%が骨密度,30%が骨質で説明)の低下を特徴とし,骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患』と定義されている。 ・本邦における骨粗鬆症の約90%は,退行期骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症と老人性骨粗鬆症)によるものである。 ・超高齢社会を迎えた本邦の骨粗鬆症患者数は,およそ1,280万人(男性300万人,女性980万人)存在するものと推定されている。 ・骨粗鬆症は骨密度と脆弱骨折の有無により診断されるが,治療方針の決定や治療効果の判定には,骨代謝マーカーが有用である。 ・骨粗鬆症治療薬には,大きく分けて骨吸収抑制薬と骨形成促進薬がある。 ・骨代謝マーカーの値により骨粗鬆症治療薬を使い分け,まずは骨代謝マーカー値を正常値に近づけることをターゲットに治療することで,その後の骨密度の改善が見込まれる。