特集 バイオシミラーの現状と今後の展望
1.序~バイオシミラーの正しい理解を広めるために~
四方田千佳子
3
3バイオシミラー分科会委員長
pp.769-770
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201903769
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バイオシミラーは,国内で既に承認されているバイオ医薬品と同等/同質の品質,安全性,有効性を有する医薬品として,異なる製造販売業者により開発される医薬品である。わが国のガイドラインなどではバイオ後続品の用語を用いているが,最近ではバイオシミラーが一般的となっている。バイオ医薬品は,それぞれの疾病に関する生化学的な研究成果を元に,深い理解に基づいて開発され,疾病の特異的な要因を標的とするために著しい治療効果をもたらし,従来の低分子医薬品では治療困難な疾病にも優れた治療効果を示すことができる。 他方,バイオ医薬品の薬価は高額であるため,保険財政を大きく圧迫していくことが懸念されている。有用な医薬品をより安価に患者に届けることができるバイオシミラーは,今後の医療の場に不可欠なものとして,医療者や患者に正しい理解を広めることが望まれている。