連載 副作用・薬物相互作用トレンドチェック
注目論文を読み解く〈82〉
佐藤宏樹
1
,
澤田康文
2
1東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座・特任准教授
2東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座・客員教授
キーワード:
● 肺がん,代謝機能,心血管系,代謝阻害,漫然処方
Keyword:
● 肺がん,代謝機能,心血管系,代謝阻害,漫然処方
pp.680-685
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902680
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〔今月の注目論文のポイント〕 1.英国の医療情報データベースを用いたコホート研究によると,ARB(アンギオテンシン受容体拮抗薬)と比較して,ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬では肺がん発症のリスクが高かった。 2.米国における無作為化比較試験によると,小児の抗精神病薬の使用による総体脂肪量やインスリン感受性への影響は,アリピプラゾールやリスペリドンよりもオランザピンで大きかった。 3.デンマークの医療情報データベースを用いたコホート研究によると,ジクロフェナクによる心血管系イベントのリスクは,イブプロフェン,ナプロキセン,アセトアミノフェンよりも高かった。 4.健康成人を対象とした試験によると,クラリスロマイシンの併用によりシンバスタチンのAUC(血中濃度?時間曲線下面積)が約4倍に上昇した。 5.西オーストラリアの医療情報を用いた症例調査によると,フルボキサミンを併用している場合,クロザピンの投与量が比較的少なくても十分な血中濃度が得られていた。 6.米国オンタリオ州の医療情報データベースを用いた調査によると,抗うつ薬,ビスホスホネート系薬,プロトンポンプ阻害薬の処方のそれぞれ46%,14%,45%が漫然処方であった。 Key Words● 肺がん,代謝機能,心血管系,代謝阻害,漫然処方