特集 加速する核酸医薬開発
10.核酸医薬の規制整備の現状と品質・安全性評価の考え方
吉田徳幸
1
,
井上貴雄
2
1国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部 第2室
2国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部 第2室・室長
pp.643-648
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902643
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近年,難治性疾患や遺伝性疾患に対する新しいモダリティ(治療手段)として,核酸医薬が注目を集めている。核酸医薬の臨床開発は,アンチセンスやsiRNA(small interfering RNA)を中心に大きく進展している。一方で,核酸医薬の品質・安全性評価については,規制当局が開発品目に応じて個別に対応しているのが現状であり,核酸医薬に特化した国際的なガイドラインは存在しない。このような背景から,核酸医薬の規制整備に向けた議論が活発化しており,核酸医薬の特徴を踏まえた考慮事項が整理されつつある。本稿では,規制の観点から重要と考えられる核酸医薬に特有の性質を概説した上で,規制整備の現状ならびに品質・安全性評価の考え方を紹介したい。