特集 Drug delivery system(DDS)の最新展望
2.siRNAを用いたDDSの最新情報
内藤瑞
1
,
宮田完二郎
2
1東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻
2東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター臨床医工学部門・准教授
pp.1749-1753
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201407061
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短い二本鎖核酸であるsiRNA(small interfering ribonucleic acid)は,細胞質内において相補的な配列のmRNA(messenger ribonucleic acid)を特異的に認識し,分解を誘起する。この配列特異的なmRNAの分解を利用し,疾患を引き起こす遺伝子の発現を抑 制することで,がんを始めとするさまざまな疾患の治療が可能になると強く期待されている。一方で,siRNAは生体内での安定性に乏し く,単独で生体内へ投与しても標的とする部位へ高効率で導入することは困難である。そのため,siRNAの医療応用に向けてはドラッグ デリバリーシステム(DDS)が必要不可欠である。本稿では,高分子ミセルを中心とするsiRNAのDDSを紹介する。