連載・クリニカル・パスと薬剤師(81)計画と実践のノウ・ハウ
非代償期肝硬変におけるトルバプタン導入のクリニカルパス運用
足立那々緒
1
,
小島一晃
2
1高槻赤十字病院薬剤部
2高槻赤十字病院薬剤部・薬剤部長
pp.145-150
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901145
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利尿薬のトルバプタンは,既存の薬剤とは異なる作用機序で,肝硬変における腹水・浮腫に対し効果を示す。重篤な副作用として,高ナトリウム血症や脱水などが報告されており,血清ナトリウムを頻回測定の上,入院管理下での導入が推奨されている。今回,各種検査指示の漏れ防止およびトルバプタンに対する意識向上を目的に,非代償期肝硬変におけるトルバプタン導入のクリニカルパスを作成し,運用を開始した。そして開始後も,重篤な高ナトリウム血症・脱水は発現することなく経過している。トルバプタンのように特異的な副作用プロファイルを有する薬剤や,継続的なモニタリングが必要な薬剤については,クリニカルパスによる運用が有用である。