連載・リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~
医薬品包装デザインが医療安全に与える効果~製剤見本を用いた過誤防止効果の検討と製品化に向けた取り組み~
田渕祐輔
1
,
小阪直史
2
,
四方敬介
3
1京都府立医科大学附属病院薬剤部
2京都府立医科大学附属病院薬剤部・TDM・試験研究係長
3京都府立医科大学附属病院薬剤部・薬剤部長
pp.139-143
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201901139
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分かりやすい医薬品包装デザインは,繁忙,複雑な医療現場において調剤過誤防止対策に重要な役割を果たす。京都府立医科大学附属病院薬剤部では,包装デザインが異なるバイアル見本を用いて,調製上の注意点(溶解液および液量)の表記に関する効果的なデザインを検証した。結果,注意喚起はキャップへの表記が最も効果的であった。一方,ラベルの形状工夫は,注意喚起効果は高いものの操作性に劣ることが示された。さらに文字サイズやフォント,色調等の検討を重ね,バイアル包装デザインのモデルを完成させた。医薬品包装デザインには,視認性や操作性に加え,類似名称との区別化を図る等,誤りに気づく機会を増やす工夫が求められる。