特集 周産期クリニカルパス
クリニカルパスの運用
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院総合周産期母子医療センター
pp.929-934
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902517
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はじめに
2000年3月に開催された第14回日本助産学会で,筆者らは産褥期のクリニカルパスについての取り組みを報告しました。報告後に後見室でたくさんの質問をいただきました。質問の多くは「どうやって作成するのか」ということでした。また使用しているクリニカルパスを送ってほしいという施設もありました。クリニカルパス(以下,パス)作成の第1段階は,現在行なっている臨床ケアのまとめを時間軸に沿って分類・整理することですから,周産期領域では,特に難しいものではありませんし,パスを使用することによってさまざまな成果を期待できます。
しかし,パスを作成する当初の目的は,施設ごとに異なるのではないでしょうか。目的が異なっていると運用も異なります。どうやって作るかという作成することに意識を集中し,簡便にパスを作成して使用すると,運用の段階でつまずきます。現に私たちが経験しました。パスと運用のすりあわせにエネルギーを要します。運用は,施設の事情がさらに多様に影響するからです。パスを道具として使うことができるか,パスに振り回されることになるのかは,運用の詳細をどれだけ詰めることができるかにかかってくるものと思われます。
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