第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
オーファンドラッグ
森田陽介
1
,
後藤伸之
2
1福井大学医学部附属病院薬剤部
2福井大学医学部附属病院薬剤部 教授/ 薬剤部長
pp.688-694
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813688
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2017 年1月から9月までの期間中,製造販売承認事項一部変更承認も合わせて13 件21 品目がオーファンドラッグとして承認を受けた。新規成分の承認は6件9品目あり,内訳は抗がん剤が4件と最も多く,リンパ腫や骨髄腫など血液がんに適応を持つ薬剤であった。それ以外には,厚生労働省より要請のあった「医療上の必要性の高い未承認薬」としての承認を受けたビタミンK 拮抗薬投与中患者の緊急手術・処置施行時の出血傾向を抑制するケイセントラ®静注用や,今まで薬剤による原因療法のなかった乳児型脊髄性筋萎縮症に対する治療薬としてスピンラザ®髄注も,新たに承認を受けた。今回はオーファンドラッグとして承認された新規成分について,薬価算定時に比較された既存薬と対比して紹介する。