特集 骨粗鬆症治療の新展開
1.骨粗鬆症の病態~最近の進歩~
竹内靖博
1
1虎の門病院内分泌センター・部長
pp.849-856
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303849
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これまで骨代謝や骨粗鬆症は,もっぱら「量」の問題として議論されてきた。すなわち,閉経などの性腺機能低下により惹起される骨吸収の亢進と,加齢に伴う骨形成の低下に基づく骨の量的な減少について,その細胞レベルでの病態や分子レベルでの機序の解明が精力的に進められてきた。しかしながら,多くの臨床研究の積み重ねにより,骨強度(あるいは骨脆弱性)の問題には,「量」のみではなく「質」という視点も重要であることが明らかになってきた。
これからは,骨粗鬆症の病態についても,炎症から見た骨量減少の機序と酸化ストレスから見た骨質劣化の機序の二つの側面から理解することが大切である。