第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗リウマチ薬
田中良哉
1
1産業医科大学医学部第一内科学講座・教授
pp.404-410
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413404
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関節リウマチ(RA)は,関節炎を病態の主座とする自己免疫疾患である。免疫異常を是正して疾患活動性を制御し,関節破壊進展を抑制することを目的とした疾患修飾性抗リウマチ薬が使用される。最も標準的な抗リウマチ薬はメトトレキサートであるが,TNF(腫瘍壊死因子)やIL(インターロイキン)-6を標的とした生物学的製剤との併用により臨床的寛解が治療目標となり,寛解維持により長期の構造的,機能的寛解が可能となった。2013年3月に5剤目のTNF標的生物学的製剤として,セルトリズマブ・ペゴル(遺伝子組換え)製剤(シムジア®),同年7月に生物学的製剤と同等の効果を有し,ヤヌスキナーゼ(JAK)を標的とした内服可能な低分子量分子標的薬であるトファシチニブクエン酸塩錠(ゼルヤンツ®)が市販された。なお,ゼルヤンツ®は4,000例に対して3年間の市販後全例調査が義務付けられた。