連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(125)
医薬品との相互作用によるプラスチック製医療機器の破損と適正使用の確保
迫田秀行
1
,
中村浩規
3
,
上田麻子
1
,
戸井田瞳
1
,
中岡竜介
1
,
宮島敦子
1
,
藤盛啓成
4
,
蓜島由二
2
1国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部
2国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部 部長
3国家公務員共済組合連合会 東北公済病院薬剤科・薬局長
4国立大学法人 東北大学病院医療安全推進室・室長
pp.2453-2458
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018112453
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医薬品投与に用いられるプラスチック製医療機器が,併用する薬剤の影響により破損する事例が報告されている。これらの医療機器に用いられる材料と医薬品成分は多種に及ぶため,両者の組み合わせも多様となるが,適正使用に係る過去の行政対応は個別事例に限られていた。そこで,相互作用の全貌を解明するため,併用により不具合が発生する可能性のある組み合わせを網羅的に特定したとともに,破損機構を解明した。また,臨床現場から行うべき情報提供の在り方のほか,医療関係者が留意すべき事項を取りまとめた。これらの成果は,添付文書改訂,製品改良,並びに医療機関における不適切使用の解消へ向けた取り組みの実施に資することが期待される。