連載 感染症診断と病理(17)
病原体と紛らわしい構造物(2)
堤寬
1
1つつみ病理相談所・所長
pp.2337-2345
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018112337
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病理標本中に観察される病原体類似物質あるいは非病原性微生物類の偶発的混入を適切に認識することは,正しい病理診断に貢献する。標本内にみえる食材を正確に同定することで,誤嚥性肺炎の早期治療に貢献できる可能性があるし,死因の検証に役立つことにもつながる。筆者がこれまでに体験したそんな貴重な事例を,前回に引き続き,再度エッセイ風に紹介したい。なお,細胞標本に混入する病原体と紛らわしい構造物については,本連載「11.感染症の細胞診断」(医薬ジャーナル54〔5〕:1135-1154, 2018)を参照されたい。巻頭図として,発見当初は原虫感染と考えられていたダリエー病の組織像を示す。